

セルゲル法の
メリット・デメリット
セルゲル法のメリット
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・椎間板ヘルニアだけでなく、椎間板損傷が原因の幅広い疾患に対して適用できます。
加齢や損傷などにより椎間板が本来の形を保てなくなり変性していきます。それで椎間板の機能が低下し、痛みなどの症状が生じます。変性が進むと、椎間板内にある髄核が外に飛び出し、椎間板ヘルニアとなり、ヘルニアで脊柱管が圧迫され(脊柱管狭窄症)、脊椎が不安定となり(腰椎不安定症)、ずれてしまう(すべり症)ことがあります。椎間板が潰れてしまうと脊椎同士が衝突しやすくなり、変形性腰椎症・変形性頚椎症となります。
このように、様々な脊椎疾患が椎間板損傷から始まります。
椎間板の損傷が原因となる疾患の治療としては、椎間板を修復するセルゲル法が適応できます。 -
・他の治療法では不可能であった「椎間板の修復」が可能なため、根治的治療になりえます。
上述のように、様々な脊椎疾患の原因は椎間板の損傷にあります。
従来の手術では、飛び出したヘルニアを切除し、不安定となってしまった脊椎を固定するなどして、症状を緩和させますが、椎間板のひび割れは修復されません。そのため、再度ヘルニアが発生したり、上下の椎間板に負担が大きくなったりして、症状等が再発されます。
セルゲル法では、椎間板のひび割れを埋める薬剤を注入して、ひび割れを補綴し、また薬剤がゲル化して椎間板にインプラントとして残りますので、椎間板のクッション機能も改善されます。このようにセルゲル法は根本的な治療となります。 -
・入院が必要なく、日帰りで治療できます。
セルゲル法の治療時間は30~40分程度で、治療後は約60分安静してから帰宅でき、入院が必要ありません。
治療前の診察を含め、すべて1日で終わらせます。 -
・外科手術後に痛みがとれなかった方や、再発してしまった場合でも治療を受けることができます。
前述したように、外科的手術ではヘルニアの部分を切除したり、脊椎を固定したりしますが、椎間板の亀裂は修復できていないため、術後も椎間板が次第に変性していき、ヘルニアが再発してしまいます。
手術後の椎間板ヘルニアの再発リスクが約64%とされています。*1
セルゲル法では「椎間板の修復」が可能ですので、外科的手術を受けた後でも、再発してしまった場合でも治療を受けられます。*1 参照元:Lu Hao, Shengwen Li, Junhui Liu, Zhi Shan, Shunwu Fan and Fengdong Zhao. Recurrent disc herniation following percutaneous endoscopic lumbar discectomy preferentially occurs when Modic changes are present. Journal of Orthopaedic Surgery and Research, volume 15, 176 (2020)
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・80歳以上の高齢者でも治療を受けることができます。
セルゲル法は局所麻酔で行われますので、身体への負担が小さいです。切開もされず、細い針での治療ですので、傷が極小で回復も早いです。
外科的手術と比べれば、治療後の合併症がなく、高齢の方でも治療を受けられます。
セルゲル法のデメリット
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・椎間板が潰れてほとんどなくなってしまっているような場合は、治療できません。
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・日本で受けられるセルゲル法は、健康保険適応外ですので、全額自費負担となります。