

ゼルゲル法の効果
セルゲル法で損傷のある椎間板に注入する薬剤は、治療後もインプラントとして椎間板に残り、椎間板のボリュームが減少することがなく、椎間板そのものを温存することが可能です。
最近の研究では治療後に椎間板の容積が増加していることもわかっております。*1
セルゲル法は、椎間板を修復し、髄核の漏れを防ぐことにより、椎間板の機能が回復されるため、有意義な再生治療の一つとなっています。*2
*1 参照元:S.Marcia, et al. Efficacy of an ethyl alcohol gel in symptomatic disc herniation. European Journal of Radiology, 109 (2018).
*2 参照元:S.Singh, et al. Intervertebral Disc Degeneration: The Role and Evidence for Non-Stem-Cell-Based Regenerative Therapies. International Journal of Spine Surgery, Vol.15, Supplement 1, 2021.
セルゲル法の効果
セルゲル法は、局所麻酔下で椎間板内に細い針を刺し、インプラント化するジェルを注入します。
損傷していた亀裂部分に薬剤が入り込み、インプラント化することで椎間板が修復されます。
椎間板が修復されると、椎間板自体が自身の再生能力によって元の正常な機能を回復します。
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1
椎間板に針を挿入
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2
インプラント化するジェル
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3
椎間板が修復され、
元の正常な機能を回復します
損傷した椎間板の亀裂が修復されると、髄核の漏れがなくなり、新たな炎症も起こさなくなります。炎症が治まると、痛みなどの症状も徐々に消えていきます。
従来の手術では、飛び出した椎間板ヘルニアを切除したり、必要な場合は脊椎を固定したりすることで症状を緩和させていますが、椎間板の亀裂は修復できていないため、高い再発率となっています。
手術後の椎間板ヘルニアの再発リスクが約64%とされております。*1
*1 参照元:Lu Hao, Shengwen Li, Junhui Liu, Zhi Shan, Shunwu Fan and Fengdong Zhao. Recurrent disc herniation following percutaneous endoscopic lumbar discectomy preferentially occurs when Modic changes are present. Journal of Orthopaedic Surgery and Research, volume 15, 176 (2020)
セルゲル法では、亀裂が補綴され、髄核が漏れなくなるため、症状の改善だけでなく、再発を防ぐことができます。
セルゲル法と従来の外科的手術の比較
セルゲル法 |
内視鏡下椎間板摘出手術 (MED) |
脊椎固定術 椎弓型形成術 |
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椎間板の修復 |
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治療後の椎間板 の変化 |
維持〜増加 | 減少/除去 | 減少/除去 |
炎症の抑制 |
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治療時間 | 15分〜20分 | 40分〜1時間程度 | 1時間〜1時間半程度 |
麻酔 | 局所麻酔 | 全身麻酔 | 全身麻酔 |
入院期間 | 日帰り | 約1週間 | 約1ヶ月 |
左右にスワイプしてください
●下記の場合はセルゲル法が適応外です。
椎間板が潰れてほとんどなくなってしまっているような場合は治療適用外です。
構成成分に対するアレルギーがあることが知られている方、重度のうつ病、その他痛みの解釈が困難な状態にある方には使用できません。
また、妊娠中の方にも適応していません。
頸椎椎間板ヘルニアの治療結果
(J.Theron, et al. Percutaneous Treatment of Cervical Disk Hernias Using Gelified Ethanol. American Journal of Neuroradiology. 2010 Sep;31(8)より)
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診断
治療前のMRI画像。頚部痛と頚部神経痛、C5/C6椎間板ヘルニアの診断。 -
治療後6週間
ヘルニアの形態にほとんど変化はないが、症状がなくなったという。 -
治療後4年
椎間板ヘルニアは消失しており、症状もない。
腰椎椎間板ヘルニアの治療結果
(M. Bellini, et al. Percutaneous Injection of Radiopaque Gelified Ethanol for the Treatment of Lumbar and Cervical Intervertebral Disk Herniations: Experience and Clinical Outcome in 80 Patients. American Journal of Neuroradiology March 2015, 36 (3)より)
左坐骨神経痛(VAS=8)を有する58歳女性の
非常に大きな脱出型腰椎椎間板ヘルニアの治療。
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診断
治療前のMRI画像検査。
L5/S1の椎間板ヘルニアの診断。 -
治療後
CT画像にて椎間板ヘルニア部分に注入された
ゲルが分布されていることがわかる。 -
治療6ヶ月後
治療6ヵ月後のMRI画像。
椎間板ヘルニアの後退が認められる。
患者は症状がなくなったという。