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セルゲル法に関するQ&A

Q

セルゲル法とはどのような施術ですか?

A

損傷している椎間板に細い針を刺し、ジェル状の薬剤を注入する低侵襲治療です。腰部の場合は後側方から、頸部の場合は前側方から施術が行われます。
ゲルは損傷している亀裂部分に入り込み、飛び出した部分(ヘルニア)を引き戻しながら選択的に消失・減退させます。それで脊髄や神経根への圧迫を取り除くことができます。圧迫が取り除かれたことで、痛みなどの症状は消失します。
治療後、数週間は不快感が残ることがありますが、これは薬剤注入による減圧効果で、周囲の組織をけん引するからだと考えられています。
より良い結果を得るためには、治療した椎間板の椎間関節に抗炎症剤やコルチコイドを注入することができます。

Q

どのような麻酔が行われますか?

A

セルゲル法は局所麻酔にて行われます。全身麻酔を必要としない治療ですので、患者の体に負担が少なく、全身麻酔による合併症も回避できます。

Q

治療の際、必要な入院日数は何日くらいですか?

A

日帰り治療ですので、入院が必要ありません。診断後その日の内に治療を受けることが可能です。治療後は1時間程安静にして、歩いて帰宅いただけます。
医療施設によりますが、診断のみを受けて、後日治療だけに来ていただくこともあります。

Q

セルゲル法の治療後、いつから回復が期待できますか?

A

治療後は、3週間から6週間で症状が改善されることがあります。十分な効果が得られるのは治療3ヶ月後からです。

Q

セルゲル法はどのような効果がありますか?

A

論文*によると、腰椎椎間板ヘルニアでセルゲル法を受けた患者221例中202例(91.4%)は「非常に良い」「良い」結果が得られ、脊柱管狭窄症、椎間孔内ヘルニアなどの合併症があり、椎間板切除術とセルゲル法を受けた84%の患者、またセルゲル法と高周波治療を受けた82%の患者も「非常に良い」「良い」結果が得られたのです。

*Jacques Theron, Leopoldo Guimaraens, Alfredo Casasco, Teresa Sola, Hugo Cuellar, Patrick Courtheoux. Percutaneous treatment of lumbar intervertebral disk hernias with radiopaque gelified ethanol: a preliminary study. J Spinal Disord Tech. 2007 Oct;20(7):526-32.

Q

セルゲル法を受けた後、外科的手術を受けるようになったケースはどのくらいですか?

A

論文では、治療後に外科的手術を行ったのは0.7%(276例中2例)だけでした。

Q

外科的手術を受けた後、セルゲル法の治療ができますか?

A

手術を受けた後でもセルゲル法を受けられます。

Q

セルゲル法を受けた後は再発がありますか?

A

5年間の経過観察結果によると、セルゲル法の後は再発がありませんでした。

Q

セルゲル法の影響で椎間板がつぶれることがありますか?

A

セルゲル法で椎間板のボリュームが減少することがありません。注入した薬剤は治療後もインプラントとして椎間板に残るため、椎間板機能の温存が期待されます。

Q

セルゲル法で使用されている薬剤にはタングステンが含まれていますが、何のためにあるのですか?

A

タングステンはX線に反応するため、治療中や治療後でも椎間板に入っていることが確認できます。

Q

治療後は、運動をいつ再開できますか?

A

個人差、また運動の種類によりますが、治療3週間から6週間後から運動を再開できます。
(従来の外科的手術の場合は、運動が手術3ヶ月後からとなります。)

Q

頚椎椎間板ヘルニアに対してセルゲル法が行われた場合は治療後、エリザベスカラーを付ける必要がありますか?

A

その必要がありません。治療後は、力を入れすぎないように注意しながら、筋肉を動かす必要があります。

Q

外科的手術は筋肉や神経を損傷する恐れがあり、これが新たな痛みの原因となりますが、セルゲル法はこのようなリスクを軽減させることができますか?

A

セルゲル法では筋肉を傷つけることはありません。細い針を使用しての治療ですので、神経を損傷するリスクも少ないです。

Q

セルゲル法は保険適応ですか?

A

セルゲル法を受けられる国や医療施設により異なる場合があります。直接医療施設へお問い合わせください。

Q

セルゲル法はどの病院で受けられますか?

A

セルゲル法ができる病院は、「セルゲル法を受けられる医療施設」ページでご確認いただけます。

Q

セルゲル法はどのような疾患に適応ですか?

A

セルゲル法は椎間板の損傷が原因である腰や首の疾患(椎間板ヘルニア、椎間板変性症、脊柱管狭窄症など)に適応されます。ただし、椎間板がすり潰れてほとんどなくなっている場合は治療できない可能性があります。

Q

セルゲル法はデメリットがありますか?

A

脊柱管狭窄症やすべり症などの場合、セルゲル法では骨を削ってボルトで固定したり、黄色靭帯を切除するわけではありませんので、治療後の腰痛などの症状が治療前と同じであれば手術が必要な場合もあります。

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